電線について考える 太さに気を取られないように
表題の「太さに・・」とは、身の回りにある「ビニール電線」のビニール込みの太さのこと。
一般にいちいち電線のビニールを剥いで中を見ることはまずないだろう。
家庭用なら100V以上に耐えられる規格のものが使われている。250V以上だったり600V以上
だったりとさまざま。気にしたことはまずほとんどないはず。
一方、バイクや自動車、トラックといったら12Vか24Vが主流。ほぼそれしかない。
いわゆる「低電圧」といわれるもの。
しかしながら使われる電装品は、けっこうパワーが必要なものがあったりする。
ヘッドライトは、1個60W以上で自動車だと2個だから120Wを超える。
電動ファンもけっこうなパワーが必要。ヒーターを使っていたりもする。
スターター用のモーターもかなりの出力が必要だ。
「電圧」が低い・・・ということは、その分「電流」をたくさん流してあげないと
電装品は機能しないということになる。そして、けっこうな電流が流れることになる。
この低電圧向けに作られているのが「自動車用低電圧肉薄電線」だ。
その名の通りで、自動車用であり低電圧用であり、肉が薄い。
ここで言う「肉」とは、「絶縁被膜」のこと。そうビニールのこと。
ビニールの厚みが薄いということを言っている。
取り回しがよくなければならず、たくさんの回路を集めるとけっこうな量に達する。
できる限り「細い」方がよい。しかし、電線の導体が細いと「抵抗」が上がり流れ
づらくなる。「太い導体」「薄い絶縁」が好ましい。
そのためのものが「自動車用低電圧肉薄電線」ということになる。
一般的にこの電線を規格・仕様によって「AV」もしくは「AVS」と呼んでいる。
「AVS」よりさらに肉薄な「AVSS」というのも存在する。
当方で作成の「ハザードユニット内臓スイッチ」や「強制ラジエーターファンス
イッチ」などにこの「AVS」の0.5sqを使用している。許容電流は、12Aもあり、
一般の同じ0.5sqの電線よりも許容が大きい。12Aとは、一般の140W以上の電装
品に使用できる。といってもあくまでも理論値なので80W-100W程度を最大の
目安にしている。
使用している理由としては、予期せぬ電流が流れることを想定していて、トラブル
を防ぐのが目的。
許容電流もさることながら「耐熱温度」もとても重要で、家庭内とはまったく環境が
異なるなかでの使用は、とても過酷で悪条件であるから、そのことも考慮して配線し
なくてはいけない。
電線の「太さ」は、あくまでも流れる「導体」の太さで決まる。
ビニールの太さではない。
家の中に転がっていた「古い電線」なんかを使って自動車やバイクの電装品
を取り付けるなんてことは、絶対にやってはいけない。劣化や破損によって
トラブルが発生する可能性が高い。十分注意しましょう!!
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