さくらと青い海とV-max
風は、悲しくなるほどに冷たかった。体は、真冬並に震えた。
しかし、空は、期待どおりに晴れ渡り、見ているだけで暖かく感じた。
直射日光は、背中を暖めてくれるものの、日陰に入ると冬を思わせた。
強い風に、桜は、耐えているようだった。
海は、コバルトブルーとも言える深い青。空の青さを凌ぐほどの色合い。
桜のピンクは、他には無い色をしていて、辺りを独占するかのような
主張すら感じる。まったく、他を寄せ付けないのだ。
空と海は、互いに争うほどの青。桜は、独創的なピンク・・
その下で、待ちわびた人達が、宴に酔いしれ、声を荒げて歌っていた。
時々、強い風が桜の花びらを遠くへ運びながら、宴の中を抜けていく。
その間も、青い空は、青いまま、青い海もとても静かで風ほどの強弱を
持たない、水彩画のように止まって見えた。
帰路に立ち寄った、山あいのカフェで飲んだコーヒーは、寒さのせいで
いつになく、とてもゆっくりと飲み終えた。
南風が、もう少し穏やかに吹いてくれると、さくらの散り際を艶やかに
してくれるだろうに。
目の前をチラリ・・と、さくらの花びらが横切っていった・・静寂のまま
音を立てずに地面に落ちていく・・
われわれには、真似のできない、見事な散り際なのである。
« ツバメ到来!! いらっしゃい(^∀^)/ | トップページ | 花びらのじゅうたん »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント